Friday, December 23, 2011

ピンクのほほ




先日このファルコン祭りにいったとき会ったおじさん
が、なぜか印象的だった。

生まれつき寡黙なのかはわからないままだったけれど、
そこにこのおじさんがいるだけで、ほわっと、
暖かいものが感じられた。
わたしだけだったらしい。
あきは、あのおじさんのどこが印象的なの?と不思議そう。

アジア人の顔をしているから、近く感じるのか、


2回目にいったときは、
6時をまわり、
パレードはおわって、
みんなかたづけにはいり、
早くホテルに帰って1杯やりたいなーーと
おもっているらしきひとばかりのなか、
彼は、やはり、
この楽器をもって、
暗がりのなか、
だれもいないのに、
この楽器をしみじみと吹いていた。

だれが聴いてくれているとかそういう問題ではないらしい。

自分がそうしたいから、しているといったかんじ。
朝9時くらいに’オープンだから、
へとへとに疲れているにちがいない。

ファルコンをもつきれいなおねえさんのポスターの前で、
しみじみとこの楽器を吹くおじさんの写真は、最初にいったときとらせてもらったもの。
2回目は、暗くて写真はとれなかった。

どこかで会ったことがあるような。

彼は、きっと、
何十年もこの服をきて、
この楽器をしみじみと
吹き続けているのだろうと思うと、
pcがないと、
もう、生きていけないよね、この時代
なぞということを
いっているわたしたちからは、
超越した、
幸せな人生なのだろうなと感じさせる、
不思議なおじさんだった。

どんな人生を生きてきたかしゃべらことなしに立っているだけで、
語ることができる人だった。

よそよそしくもなく、
へんになれなれしくもないこのおじさん、
心のなかに、すっとはいってくるなんともいえないムードをもっていた。

いまごろ、

どこかで、また、
あの帽子で、
ピンクのほほをちょいと隠し、
この楽器をふいているのだろう。




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